イノベーションか無用の長物か 2階建てエレベーターの話 ~タテのものとも、ヨコのものとも
2023.04.03海外に出かけると、見たことのないモノに出くわすことがある。
設計者は画期的なイノベーションと考えたのだろうが、案外不便だったりする。
だが、真のイノベーションはトライアルの果てに生まれる。ならば、謙虚に面白がることにしたい。
山本謙三が書き綴った四方山話です。
海外に出かけると、見たことのないモノに出くわすことがある。
設計者は画期的なイノベーションと考えたのだろうが、案外不便だったりする。
だが、真のイノベーションはトライアルの果てに生まれる。ならば、謙虚に面白がることにしたい。
金融機関には、「損切りルール」と呼ばれるルールがある。
有価証券の運用を担当するディーラーは、与えられた金額を自らの裁量で運用し、日々損得を計算する。
損失が一定額に達したときは、社内のルールにより強制的に運用を終了し、損失を確定させる。これが「損切りルール」だ。
ルールは、理性では何ともならない「人間の弱さ」をふまえたものである。
人は負け始めると、勝負から途中で降りるのを躊躇(ちゅうちょ)する。
「明日こそは取り返せるはず」との希望的観測が勝るようになり、ずるずると損失が膨らむ。
そうした弱さが経営の足を引っ張らないよう、あらかじめルールを定め、損失を一定額に抑え込む趣旨だ。
ルールに違反すれば懲戒処分は免れない。それほど厳しいルールにしておかないと、損切り回避の誘惑になかなか勝てないということでもある。
根付いた慣習を変えるのは、難しい。
経済学に「経路依存性」あるいは「QWERTYの法則」と呼ばれる理論があるぐらいだ(末尾脚注参照)。
1993年4月、政府は一大改革に打って出た。国際化の一環として、行政文書をB版からA版に切り替える作業だった。
当時勤務していた職場でもA版化の方針が決まり、プロジェクトを担当することになった。
現場にしてみれば、目に見えるメリットが少ないわりに、面倒の多い作業だっただろう。
例えば、規程集の差し替えがあった。
年も明け、もはや旧聞に属するが、昨年のカタール・ワールドカップは興奮あり、無念さありで、サッカーはこういう競技だということを改めて思い知らされた。
それでも、1998年フランス大会以来の歴史を振り返れば、日本代表は確実に強くなった。
日本サッカー協会の育成システムの成果だろう。敬意を表したい。
そのサッカー協会が掲げる目標は、「2050年までにワールドカップ優勝」だ。
「年末」といえば、思い浮かぶのは年末ジャンボ宝くじの抽選風景だ。
抽選会に出かけたことはないが、テレビのニュースでなじみ深い。
気になるのは、一体どんな人が会場に向かうかだ。
なんといっても、大晦日の昼日中だ。
大掃除もあるだろうし、帰省の人もいるだろう。
会場に出向いたからといって、買った宝くじの当選確率が上がるわけではない。
早く当選番号を知ったところで、結果が変わるわけでもない。
私は、冷静な判断力でなる血液型A型である。一方、妻、長男、長女はみなAB型だ。
私には、AB型との生活というものが見当つかないのだった。
15年ほど前。
大学に入ったばかりの長男が、ライブハウスに出演を申し込んできたと騒いでいた。
(ん!?)
「月刊住職」という雑誌がある。
以前、TV番組「タモリ倶楽部」でも紹介されたという。
その名のとおり仏教専門誌だが、月に1度、全国紙にも新聞広告が載る。
思わず手に取りたくなるほど見出しが絶妙で、知る人ぞ知る雑誌である。
いくつかを紹介してみよう(注1)。
(注1)同誌のホームページおよび新聞広告より抜粋。
「宗教離れなのになぜペット供養は流行るか!?」(2014年正月号)
言葉は難しい。
コミュニケーションの最大の武器だが、意図を言葉で伝えるのは案外難しい。
大学で経済学を教えている友人の話。
(学生への講義)
「多額の財政赤字が続くと、国債金利はどうしても上昇しやすい。だが、ウルトラCがある。中央銀行に国債を引き受けさせることだ。しかし、これは大きなリスクを伴う。次回はその話をしよう」
講義を終え、片付けをしていると、一人の学生がやってきた。
10年ほど前のこと。
妻が仲間内の会合で、声をかけられたという。
「あなた、女優の**に似てるわよねぇ」
なかなかの美人女優である。
背も高い。
歳も若い。
どこから見ても、無理がある。
数年前、家族4人に義母が加わり、近くの中華料理店に出かけた。
年末近くだった。
食事後、年賀状用の家族写真を撮ることになった。
店の人にスマホを渡し、撮影をお願いする。
と、妻と長女が席を離れ、最後尾の席をめぐって小競り合いを始めた。