サッカー日本代表への「熱い思い」と「お寒い一日」 ~損切りできない私たち
2023.03.01金融機関には、「損切りルール」と呼ばれるルールがある。
有価証券の運用を担当するディーラーは、与えられた金額を自らの裁量で運用し、日々損得を計算する。
損失が一定額に達したときは、社内のルールにより強制的に運用を終了し、損失を確定させる。これが「損切りルール」だ。
ルールは、理性では何ともならない「人間の弱さ」をふまえたものである。
人は負け始めると、勝負から途中で降りるのを躊躇(ちゅうちょ)する。
「明日こそは取り返せるはず」との希望的観測が勝るようになり、ずるずると損失が膨らむ。
そうした弱さが経営の足を引っ張らないよう、あらかじめルールを定め、損失を一定額に抑え込む趣旨だ。
ルールに違反すれば懲戒処分は免れない。それほど厳しいルールにしておかないと、損切り回避の誘惑になかなか勝てないということでもある。