金融経済イニシアティブ

山本謙三のKYな話

山本謙三が書き綴った四方山話です。

東海道新幹線が開通したのは、昭和39年(1964年)の東京オリンピック開幕のわずか10日前だった。

 

テレビ局は、新大阪行きひかり号の車内に機材を持ち込み、「ただいま時速210キロ」とのアナウンスに乗客が沸き立つシーンを生放送していた。時速210キロは、当時の世界最速である

 

名神高速道路にも中継車を走らせ、新幹線の車内と中継車から同時中継していた。高速道路を走る車が次々と新幹線に追い抜かされる様(サマ)は、当時としてはなかなかの見ものだった。

今年は「放送100年」だそうだ。

放送100年を記念して、NHKが過去の番組をいろいろと紹介してくれている。

 

懐かしいのは、クイズ番組「連想ゲーム」(1978~1990年度)だ。

男女5名ずつが2チームに分かれて、点数を競い合う。

 

両チームのキャプテンに「お題」が与えられ、キャプテンが「お題」から連想されるヒントを仲間に示し「お題」を当ててもらうというゲームである。不正解のときは、相手チームに追加のヒントと回答の権利が移る。

 

例えば、次のように番組が進行する。

司会「では、女性チーム先行でお願いします」<キャプテンにお題がそっと渡され、視聴者には正解のテロップが流れる。この日のお題は「桜もち」>

女性チーム・キャプテン「香り」

女性チーム回答者「・・・沈丁花」ブブー(不正解)

男性チーム・キャプテン「大福」

男性チーム回答者「・・桜もち」ピンポーン(正解!)

 

連想ゲームの日々

 

放送が100年なら、こちらは生誕70年だ。

なんといっても、人の名前が出てこない。

毎日が連想ゲームである。

 

妻(テレビ番組を見て)「このキーボードを演奏してる人、だれだっけ?」

私「え?、あ~、ほれほれ、あの人よ」

妻「だれよ?」

私「え~、だから、アーティストで」

妻「そりゃ、言われなくても分かる」

 

私「ん~、だから、その、昔、グループをやってた人」

妻「グループをやってた人だけじゃ、分かんないね」

私「いや、いや、答えは分かってる、名前が出てこないだけだ」

妻「だから、それを聞いてるんですけど」

 

私「ん~、ほら、篠原英子に楽曲を提供したりしてさ」

妻「だれ?」

私「え~と、ダンスグループにも楽曲提供したりしてさ、HIROだっけな」

妻「ん?HIRO??。。。もしかしてtrf? あ、小室哲哉か!」

私「そう、そう、小室哲哉だ!」

 

妻「あ~、たしかにそうだ。でも、HIROじゃなくて、trfはSAMだし。HIROはEXILE」

私「まぁ、そぅともいうかな。それでも、僕のヒントの出し方がうまかったから、答えに辿り着いた」

妻「え?、あんなヒントから正解を導き出した私の方がすごいと思う。。。そもそも篠原英子じゃなくて、篠原涼子だし」

私「・・・」

 

脳内イメージを探る

 

頭の中には顔が浮かんでいるのに、名前が出てこない。

これを不正解といって一蹴するのは理不尽に思える。

 

いっそ、最新技術を用いて、脳内からイメージを引き出せないものだろうか。

 

頭部に脳波測定器をつけ、脳波から画像を再現して正解かどうかを判定する、、、というのはどうか。

 

担当プロデューサー(P)「山本さん、ちょっとご相談が。。。」

私「え?、なにか?」

P「いや、山本さんの脳波がとれたことはとれたんですが、、、、画像が、、、」

私「画像がなにか?」

P「いえね、山本さんの画像は、全部モザイクがかかってしまって、よく読み取れないんですよね」

私「ん?、じゃ、解像度をあげたらどうよ?」

P「いや、解像度はすでにマックスに上げていまして、、」

 

私「ふ~む、それじゃ、みなさん困るでしょ」

P「いぇ、ほかの方は多かれ少なかれ、脳波から画像化できておりまして、、」

 

私「え?、そ、そうなの。。。じゃ、AI(人工知能)を使って、最も可能性の高い画像に絞り込む、ってのはどうかな?」

P「いえ、それも考えてみたんですけどね。。。、当社のAI審査会が、人工知能を使って得た回答を『正解』とするのはよくないんじゃないか、と言ってきておりまして。。。」

私「う~」

 

(イラスト:鵜殿かりほ)

 

電車の車内放送は、昔は、鼻にかかった独特の声音だった。

「つぎは~、とぉーきょ~、とぉーきょ~」というやつだ。

 

この独特の語り口は、いつのまにか車内放送から消えた。

技の伝承は、いまや中川家(漫才)の双肩にかかる。

 

決めつけ刑事

2025.03.04

最近、テレビでよくACジャパンの公共広告を見るようになった。

 

俳優松重豊さんが登場する「全国こども食堂支援センター」、近藤真彦さんの「日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会」、中山きんにくん(役名は中山けんみゃくん(検脈))の「日本心臓財団」、有村架純さん(ナレーションのみ)の「プラン・インターナショナル・ジャパン」等々、種類は多彩である。

 

なかでも秀逸と感じるのが、嶋田久作さん扮する「決めつけ刑事(デカ)」だ。

私の手元には、多くの健康グッズがある。

 

ストレッチポール、フォームローラー2種、バランスボール、ストレッチリング(そういう名前らしい)、ストレッチスティック(そういう名前らしい)。これらにテニスボールとソフトボールが加わる。

 

家庭用エアロバイクは、妻が買った。
しかし、いまや2歳の孫娘が大きくなったとき用として、部屋の片隅にしまってある。

 

日々、新たな挑戦が続く、、、と言いたいところだが、いかに長続きしないかを物語る品々だ。

 

明治の人はエラかった ~暦を改める話

2025.01.06

正月風景は、子どもの頃とは大違いだ。

 

60年前のわが家では、元旦は玄関口に日の丸を掲げ、お屠蘇と雑煮とおせち料理で明けた。

 

おせち料理を終えると、待望のお年玉だ。

父親がポチ袋(当時そんな名称は聞かなかった)を一人ひとりに配る。

私は、兄がいくらもらったかを覗き込みながら、後生大事にしまい込んだものだ。

効果を大きくみせる法 ~ちょっと、ややこしい話

2024.12.02

12月は、人間ドックの受診月である。

初回が年末近くだったために、例年、この時期にドックに入る。

 

その、ひと月ほど前にはミニダイエットが始まる。

妻に「甘いものは控える、夕飯は少なめにする」と宣言する。

だが、毎年のことなので、事もなく聞き流される。

 

小市民、走る ~出版、騒動記

2024.11.01

9月中旬、「異次元緩和の罪と罰」(講談社現代新書)を上梓した。
定価1210円、電子書籍1155円(いずれも消費税込み)の新書である。

 

齢(よわい)70にして、初の出版となる。

 

感慨深い。発刊後、どれだけ売れるか、気になって仕方がない。

墓参り

2024.10.01

私はこうみえても、信仰心が薄い。
墓参りも滞りがちだ。

 

父は40年前、母は20年前に他界している。

彼岸が近づく度に、妻から「墓参りはどうするつもり?」と尋ねられるが、「まぁ、両親も忙しいだろうから、出かけていっても墓の中にいないかもしれんな」などと言って、逃げ回っている。

私「今回は趣向を変えて、これまでの『KYな話』のベスト盤にした」

妻「なに?それ?」

 

私「だから、これまでの話の中から、好評だったものをピックアップしてお届けする」

妻「そんなの、読む人いるの?」

私「そりゃ、いるさと考えられる

妻「なんか、小声のところが、健康食品のCMみたいね」

 

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