金融経済イニシアティブ

山本謙三のコラム・オピニオン

山本謙三による金融・経済コラムです。

表面上、一人当たりの最大消費世帯は60歳代世帯だが…

総務省統計局の「家計調査」(総世帯)を基に年齢層別の一世帯当たりの消費動向をみると、世帯主が50歳代の世帯が最も消費支出が多い。ただし、これは世帯の人員数に影響されている。

そこで、これを世帯平均人員で割り、一人当たりの消費支出額を計算してみた。結果は次のとおりである(注)(後掲参考1参照)。

乳幼児は地方が好き ~鹿児島、宮崎にみる、地方経済と「実家との距離」

2015.10.01

大都市から非大都市へ移動する0~9歳層

都市と地方の間の人口移動には、年齢層ごとに特徴がある。

都市部への人口移動は、10歳代(進学期)、20歳代(就職期)が多い。その規模が圧倒的に大きいため、全年齢層合計の人口流出入も都市部の大幅な流入超となる。

一方、10歳代、20歳代を除く年齢層の合計は、実は地方部が流入超だ。

銀行はなぜビジネスモデルの見直しを迫られるのか ~変貌する小口決済市場

2015.08.03

小口決済分野への銀行の関与が縮小している

家計の利用する小口決済手段が、ここ10年ほどで大きく変化している。

クレジットカード、電子マネー、コンビニ収納代行、代金引換(代引き)の利用が増え、プリペイドカードが復活しつつある。一方、内国為替(銀行振込)やデビットカードの利用は、漸増ないし漸減の状態にある。現金の利用も、シェアは緩やかに低下している。

団塊世代はどう動いたか、意外に低い退職後の「里帰り率」 ~創成会議の地方移住論をどうみるか

2015.07.01

1960年代の団塊世代:地方圏居住者の3割が3大都市圏に移動した

団塊世代と呼ばれる1947~49年生まれは突出して人口が多いため、彼らの人口移動は、その都度大きな社会現象を生み出してきた。では、彼らは年齢とともに、どう地方圏と3大都市圏の間を移動してきたのだろうか。以下、国勢調査を基に確認してみたい(注)。

急低下する生産年齢人口比率をどうみるか ~3~4年後には戦後すぐと同じ水準に

2015.06.01

戦後すぐと同じ時代が今そこに

15~64歳の年齢層は、一般に「生産年齢人口」と呼ばれる。働き手の主力として想定されている年齢層だ。高校、大学期を含むので、必ずしも今の時代になじまない面があるが、世界共通の尺度として用いられているものなので、本稿もこれに準拠しよう。ちなみに、0~14歳は「年少人口」、65歳以上は「高齢者人口(または老年人口、老齢人口)」と呼ばれる。

なぜ人口は首都圏に集まるのか ~東京一極集中論の虚実

2015.05.07

東京一極集中は本当か?

東京一極集中是正論のなかで、よく聞かれるのが、「東京への一極集中が加速している」という話だ。「東京がブラックホールのように若者を際限なく吸い寄せる」との見方もある。だが、東京都の人口の全国シェアは、50年前も今も10%強で変わらない。事実関係をまず確認しておこう。

マネーストックはマネタリーベースの半分しか増えていない

日本銀行による量的・質的金融緩和(QQE)の導入から、まもなく2年が経過する。この間、銀行預金は高めの伸びを続け、マネーストック(M3)も前年比3%弱を記録してきた(2014年5月「異次元緩和が終われば、民間預金は減少する?」参照)。しかし、日銀が供給してきたマネタリーベースの金額に比べれば、マネーストックの増加額は僅少にとどまる。

わが国は豊かさを感じにくい国となるのか ~高齢化と労働市場の構造変化が示唆するもの

2015.03.02

国民一人当たり実質経済成長率はG7諸国平均並み

わが国の国民一人当たり実質成長率は、2000年以降、G7諸国平均並みの伸びを続けている。2008~09年のリーマンショックによる落ち込みも、2013年までに取り戻した。国民生活は着実に豊かになってきたといってよいだろう。

それにもかかわらず、多くの認識は「国民生活はほとんど改善していない」というものではないか。なぜ、そうなるのか。ここでは労働市場の構造変化を踏まえて、一つの仮説を考えてみたい。

なぜ人口流出超の大都市が増えているのか ~北九州、静岡、浜松にみる流出超都市の果敢な取組み

2015.02.06

7つの地方大都市が流出超に

1年前、東京23区および政令指定20都市のなかで、札幌市、福岡市への人口流入が顕著であることを書いた(2014年2月「札幌、福岡はなぜ人口流入超トップ3なのか」 参照)。先般、2014年中のデータが公表されたので、最近の動きを改めて確認しておきたい(参考1)。

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