なぜ日銀はここへきて「賃金」を持ち出すのか ~繰り返される異次元緩和の「新たな説明」
2022.10.03「物価対策」といえば、通常は物価上昇を抑制する政策を思い浮かべるだろう。しかし、今回の政府・日本銀行による「物価対策」は逆だ。超金融緩和の継続と巨額の財政支出の組み合わせは、需要を維持し、物価の上昇を促す政策にほかならない。
給付金や補助金の対象とならない家計や企業にとっては、物価の上昇と将来の増税のダブルパンチとなる。一つの政策判断ではあるが、なぜこうした判断に至ったかの説明は明確でない。
日銀は、値上げ許容度発言を撤回し、最近では政府とともに円買い介入も実施している。それでも、異次元緩和は続けている。ロジックを読み解くのは難しい。