コロナ禍前とは違うコロナ禍後の労働市場 ~対照的な男女の労働力人口比率に潜む光と陰
2023.10.022020年、新型コロナショックが労働市場を直撃した。とくに打撃を受けたのが、非正規の職員だった。飲食業や宿泊業など、パート、アルバイトに多くを依存する産業が軒並み売り上げを落とし、雇用を削減した。
あれから3年半。コロナ禍の収束とともに、就業者数はコロナ禍前の水準をほぼ回復した。
潜在的な労働力を示す労働力人口比率(注)も、上昇を続けている。同比率は、2010年代前半にかけて50%台後半まで低下したものの、その後は反転。コロナ禍による足踏みがありながらも、現在は1990年代なかばの水準まで回復している(1968年65.9%→2012年59.1%→2023年8月63.1%)。
しかし、同比率の男女別、年齢階層別の内訳を見ると、手放しでは喜べない現実も浮かび上がる。
(注)労働力人口比率は、「就業者」と「失業者」の合計を総人口で割ったもの。すでに就業しているか、就業の意欲をもち、そのための活動をしている人の比率を表し、潜在的な労働力の割合を示す。