なぜ地銀の貸出金利は極度の低下が続くのか ~気が付けば 「市場経済からの離反」
2022.06.02地方銀行の貸出金利が、特異な低下を示している。
新規の短期貸し出しと長期貸し出しの加重平均金利である貸出約定平均金利(総合)は、都市銀行と同水準まで低下した。日本銀行のデータ検索サイトで遡及可能な1994年以降、初めてのことだ。このうち長期貸し出しの金利は、昨年秋以来、ほとんどの月で都銀を下回っている。
都地銀の経費率や貸出先の信用リスクの差を踏まえれば、両業態の新規の貸出約定平均金利(以下、「貸出金利」)が肩を並べるのは、尋常でない。なぜ、こうした事態が起きているのか。その意味するところは、何か。