なぜ地方創生は目標を達成できないのか ~施策を競うのでなく、新陳代謝の促進を
2020.08.03「地方創生」の政策が始まって、6年近くが経つ。基本目標の一つ「東京圏への人口流入超を2020年までにゼロにする」は、ゼロに向かうどころか、拡大した(2020年1月「なぜ、東京圏、大都市圏への人口流入は止まらないのか」参照)。足元はコロナ禍の影響で流入ペースが鈍化したが、経済が回復すれば再び拡大に向かうだろう。人口移動は景気に比例するからだ。
政府は、目標そのものは維持し、達成時期を25年まで先送りした。今年の「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針2020)も、従来の方針を踏襲し、数多くの関連施策を並べている。しかし、今必要なのはアプローチの抜本的な見直しだろう。
人口移動は、人々が居住地を自由に選択した結果だ。各自の合理的な判断をさておいて、「「新たな日常」が実現される地方創生」、「二地域居住」といっても、結果は限られる。