変貌する地方・大都市間の人口移動:山本謙三の金融経済イニシアティブ ~地方創生目標「2020年までに、東京圏への転入超ゼロ」の達成はいよいよ絶望的に
2019.02.01「地方創生」には、いくつかの成果指標(KPI)が掲げられている。「東京圏への人口転出入を2020年時点で均衡させる」は、その一つだ。すなわち、東京一極集中の是正である。
「地方創生」が開始される直前(2013年)の東京圏への転入超数は、9.7万人だった(日本人移動者、注1)。その後の5年を経て、昨日公表された2018年の実績は、13.6万人の転入超を記録した。ゼロに向かうどころか、4割も拡大した(参考1)。今後多少の変動があるにしても、「2020年までに転入超ゼロ」の目標達成は絶望的といってよいだろう。
(注1)総務省「住民基本台帳 人口移動報告」は、2014年以降、外国人を含む移動者総数を公表しているが、本稿では過去と比較するため、日本人移動者のデータを用いている。