責任の先送りは避けよ 「『責任』ある積極財政」 ~トリッキーな「債務残高比率」
2026.03.02高市早苗首相は、2月総選挙後の施政方針演説で、危機管理投資や成長投資を多年度に別枠で管理する仕組みを導入するとしつつ、「財政規律にも十分配慮した財政政策」を行なうとした。いわゆる「責任ある積極財政」だが、問われるべきは、ここでいう「責任」とは何かである。
施政方針演説では、財政規律に配慮する証(あか)しとして「一般政府総債務残高対GDP比率(以下、債務残高比率)の引き下げ」が強調されている。しかし、同比率の低下が物価の上昇に伴うものであれば、これは財政健全化と無縁である。
万一、同比率の低下だけを理由に新規国債を追加発行するようなことがあれば、将来世代の負担を一段と増やし、「責任の先送り」となりかねない。債務残高比率はトリッキーな指標であることに注意が必要だ。
