金融経済イニシアティブ

引っ越し騒動記(2)

2021.02.15

昨年夏に引っ越した。

 

先月の話の続きである(2021年1月KYな話「引っ越し騒動記」参照)。

 

冷蔵庫

 

もともとは、冷蔵庫まで買い替える気はなかった。

 

しかし、春のある日の未明、近くへの落雷で、数分の停電が生じたようだった。

 

朝起きると、電力は復旧していたが、冷蔵庫は常温に戻ったままだった。

 

リセットボタンを探すが、見当たらない。

電源プラグを抜き差ししても、変わらない。

 

困った。

ヘルプデスクに電話してみる。

 

ヘルプデスク曰く(いわく)、「リセットボタンはついてません。電源プラグを抜き差ししていただいて、それでもダメなら修理になります。が、お宅の冷蔵庫は古いので、もう交換部品はありません」と。

 

が~~ん。ただでさえ、こちらは物入りなのだ。

 

アイスクリームを食べながら、予算を計算してみる。

結論は、とほほ、である。

 

しかし、1時間ほどして、何気なくプラグを差し込むと、、、、

ブ~~ンと、唸り声をあげながら、なんと復旧したではないか。

 

お、お~っ、ラッキー。

これも日ごろの私の行いのせいか。

 

********

 

ところが、1か月後の夜中。

 

再び雷鳴が轟き、停電が起きた。天候不安定な年だった。

 

朝起きて、今回はおもむろにアイスクリームを食べ始める。

 

妻は妻で、冷凍室から食材を引っ張り出し、近所に住む実家の冷蔵庫に収めにいった。

妻はどうも、実家の冷蔵庫の中をすべて把握しているらしい。

 

しかし、今回はプラグを抜き差ししても、復旧しなかった。

 

時間をおいて試しても、変わらない。

今度こそ、万事休すか。

 

だが、夕方、これまた気まぐれにプラグを差し込んでみると、、、

あの心地よいブ~~ンの唸り声とともに、再び復旧した。

 

私「よしよし、私たちの行いがよほどよいのだろう」

 

妻「で、どうすんのよ」

 

私「ん? なにが?」

 

妻「冷蔵庫よ。また停電したら、どうすんのよ」

 

私「う~ん、僕の計算では、次は3日後ぐらいに直るはずだが」

 

妻「ふん(怒)」

 

エアコン

 

そんなこんなで、なにかと物入りになってしまった。

 

冷蔵庫に匹敵する大物は、やはりエアコンだ。

できる限り、新居に移せるものは移すとして、1台だけ、人工知能(AI)付きとやらを買った。

 

「人工知能」というほどだから、私の好みの温度や湿度にあわせて、自動的に調節してくれるはずだ。

 

といっても、はじめのうちは、自分で温度調節をして、覚えこませる必要があるだろう。

こまめに、リモコンで温度設定を変えた。

 

しかし、その後も一向に私の好みを覚えている風はない。

 

私「ん?おかしいな。この「人工知能」とは、どういうことだろう」

 

妻「さぁね。物珍しさで買うから、こうなる」

 

私「う~む、ま、人工知能はブラックボックスっていうからな。そのあたりは、いかにも人工知能らしい」

 

妻「ふ~ん、ブラックボックスってことじゃ、人工知能もあなたの頭の中もあまり変わらんってことね」

 

私「ん?、、、(褒めてるわけではなさそうだな)」

 

 

 

(イラスト:鵜殿かりほ)