金融経済イニシアティブ

わが家の健康管理者、走る

2024.02.01

妻は、わが家の健康管理者を自認している。

少なくとも子どもたちが高校生ぐらいまでは、そうだった。

 

子どもたちが病院に出かけるときは必ず連れ添い、診察室に潜りこんで医者の話を聞いてくるのだった。

 

本人いわく、「食事や生活習慣の話もあるだろうからねぇ」である。

 

我、病を得る

 

難点は、子どもたちだけでなく、私が病院に行くときも診察室までついてくることだった。

 

私「ちょっと、明日、病院まで車で送ってくれないか」

妻「いいけど、どこか悪いの」

私「ん、まぁ、」

妻「じゃ、先生の話も聞かなきゃね」

私「いや、病院の中までついて込なくて、いいから」

妻「それはダメでしょ、どれほど悪いかわからないし」

 

私「いやまぁ、薬をもらうだけだと思う」

妻「食事制限や生活習慣の話もある」

私「いや、多分ない」

妻「聞いてみないと、分かんない」

私「いや、まぁ、大体分かる」

妻「どぅして?」

私「、、、円形脱毛症やぞ」

妻「・・・」

 

テレビ番組

 

ある日、テレビでマラソンを見ていた。

 

私「すごいねぇ、大迫傑選手はぜい肉がまったくついてない」

妻「そういぅあなたは、ぜい肉しかついてない」

私「・・・」

 

グルメ番組をみていた。

 

妻「忙しいと言ってるわりに、おヒマそうね」

私「ん?そう見える? そう見えても、これも勉強なのだ」

妻「グルメ番組じゃ、ヒマにしか見えない」

私「いやいや、どんな情報も、私にとっては一つ一つが血となり肉となる」

妻「あなたの場合は、一口一口が肉となるのよ」

私「・・・」

 

いかにして数値をよくするか

 

そんなわけで、健康上の数値をいかによくするかが第一の関心事だ。

 

一度、柔らかい座布団の上に体重計を乗せて、測ってみた。

効果はてきめんだった。

だが、健康診断の会場には座布団を持ち込めない。残念だ。

 

血圧も、腕を上にあげて測りたい。

自宅でやってみると、やはり効果はてきめんだった。

 

そんな話を米国の医者の友人に話したところ、真剣にたしなめられた。

ユーモアを解さぬ奴だと思ったが、わたしの英語力のせいである。

 

実際、健康診断の際、血圧測定機の椅子が高いと、血圧は高くなる。

猫背になると、血圧は高く測れるようだ。

 

椅子を下げたいが、会場によっては固定されてしまっている。

それでは、ひざまずいて測ればよさそうなものだが、その勇気はまだない。

 

妻、病を得る

 

6年前に宮仕えをやめ、自宅にいる時間が増えた。

時間を持て余し、11時には「昼飯は何か」、17時には「夕飯はまだか」とうろつく日々だった。

 

1か月も経たないうちに、妻が体調を崩し、病院に出かけた。

帰宅した妻に、早速尋ねてみる。

 

私「どうだった?」

妻「うん、やっぱり病気だと」

私「何の?」

妻「うん、、、、帯状疱疹。。」

私「うっ」

妻「私は原因を思いつかないんですけど、あなたは何か思い当たるところがありますか」

私「う、うっ」

妻「よくストレスとかいうけど、、、ね」

私「・・・」

 

(おかげさまで、妻の帯状疱疹は軽症ですんだ。医者からは「初期に診察を受ければ、軽症で済む好事例」と言われたそうだ。

原因がはっきりしていたので、早期に変調を察知できたということだろう。)

 

 

(イラスト:鵜殿かりほ)