金融経済イニシアティブ

毎日が連想ゲーム

2025.05.07

今年は「放送100年」だそうだ。

放送100年を記念して、NHKが過去の番組をいろいろと紹介してくれている。

 

懐かしいのは、クイズ番組「連想ゲーム」(1978~1990年度)だ。

男女5名ずつが2チームに分かれて、点数を競い合う。

 

両チームのキャプテンに「お題」が与えられ、キャプテンが「お題」から連想されるヒントを仲間に示し「お題」を当ててもらうというゲームである。不正解のときは、相手チームに追加のヒントと回答の権利が移る。

 

例えば、次のように番組が進行する。

司会「では、女性チーム先行でお願いします」<キャプテンにお題がそっと渡され、視聴者には正解のテロップが流れる。この日のお題は「桜もち」>

女性チーム・キャプテン「香り」

女性チーム回答者「・・・沈丁花」ブブー(不正解)

男性チーム・キャプテン「大福」

男性チーム回答者「・・桜もち」ピンポーン(正解!)

 

連想ゲームの日々

 

放送が100年なら、こちらは生誕70年だ。

なんといっても、人の名前が出てこない。

毎日が連想ゲームである。

 

妻(テレビ番組を見て)「このキーボードを演奏してる人、だれだっけ?」

私「え?、あ~、ほれほれ、あの人よ」

妻「だれよ?」

私「え~、だから、アーティストで」

妻「そりゃ、言われなくても分かる」

 

私「ん~、だから、その、昔、グループをやってた人」

妻「グループをやってた人だけじゃ、分かんないね」

私「いや、いや、答えは分かってる、名前が出てこないだけだ」

妻「だから、それを聞いてるんですけど」

 

私「ん~、ほら、篠原英子に楽曲を提供したりしてさ」

妻「だれ?」

私「え~と、ダンスグループにも楽曲提供したりしてさ、HIROだっけな」

妻「ん?HIRO??。。。もしかしてtrf? あ、小室哲哉か!」

私「そう、そう、小室哲哉だ!」

 

妻「あ~、たしかにそうだ。でも、HIROじゃなくて、trfはSAMだし。HIROはEXILE」

私「まぁ、そぅともいうかな。それでも、僕のヒントの出し方がうまかったから、答えに辿り着いた」

妻「え?、あんなヒントから正解を導き出した私の方がすごいと思う。。。そもそも篠原英子じゃなくて、篠原涼子だし」

私「・・・」

 

脳内イメージを探る

 

頭の中には顔が浮かんでいるのに、名前が出てこない。

これを不正解といって一蹴するのは理不尽に思える。

 

いっそ、最新技術を用いて、脳内からイメージを引き出せないものだろうか。

 

頭部に脳波測定器をつけ、脳波から画像を再現して正解かどうかを判定する、、、というのはどうか。

 

担当プロデューサー(P)「山本さん、ちょっとご相談が。。。」

私「え?、なにか?」

P「いや、山本さんの脳波がとれたことはとれたんですが、、、、画像が、、、」

私「画像がなにか?」

P「いえね、山本さんの画像は、全部モザイクがかかってしまって、よく読み取れないんですよね」

私「ん?、じゃ、解像度をあげたらどうよ?」

P「いや、解像度はすでにマックスに上げていまして、、」

 

私「ふ~む、それじゃ、みなさん困るでしょ」

P「いぇ、ほかの方は多かれ少なかれ、脳波から画像化できておりまして、、」

 

私「え?、そ、そうなの。。。じゃ、AI(人工知能)を使って、最も可能性の高い画像に絞り込む、ってのはどうかな?」

P「いえ、それも考えてみたんですけどね。。。、当社のAI審査会が、人工知能を使って得た回答を『正解』とするのはよくないんじゃないか、と言ってきておりまして。。。」

私「う~」

 

(イラスト:鵜殿かりほ)